同期の彼と私のカンケイ
彼は椅子から手を離し、額に手を当てて考え込む素振りをした。

しばらくの沈黙の後腕を引かれて立たされた私は、彼にぎゅっと抱きしめられる。

「逸樹?」

「紗雪は勘違いしてるぞ。俺の女はお前だけだ」

「え、だって。いつも泊まらないし、会うのは月に数回だし、昼間デートしたことないし」

「それは、その、俺がお前を好きすぎて、長い時間一緒にいるとすげー束縛しそうになるから。嫉妬とか俺のキャラじゃないし、みっともないだろ」

「え……?」

そんな理由だったの?

意外に思って彼を見上げると、耳を真っ赤に染めていた。

「バカ、見るな」

いつもクールな彼が。意外過ぎておかしくて、クスクス笑うとベッドの上に押し倒された。

いつも突然に連絡してくるのは、照れでギリギリまで誘えないからだと言う。

彼のイメージに合わなくて、またまたおかしくて笑ってしまう。

「笑うな」

「うん。笑わない。だから、これからはもっと一緒にいて?束縛も少しなら嬉しいから」

そう言うと彼は、返事の代わりに甘いキスをくれた。

「俺が愛してるのは、お前だけだから。それを忘れるな」

「……うん」

ホテルで過ごす聖なる夜は、これからの幸せな結末を予感させた。
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