君に恋していいですか?
「で、どんな人なの? 新しい彼氏さんは」

オトハちゃんに問いかける。
前は隣のクラスの人だったっけ?
次はどんな人なんだろう。

「えーっとね、3年の人」
「わあ、年上じゃん!」
「そうそう。結構イケメンよ」
「へー。」
「タクヤって名前なんだけど知ってる?」
「知らな〜い」
「でしょうね。あんた、本当他人に興味無いよね」
「そんなことないよ、関わらないだろう人をわざわざ知ろうとしないだけ。」
「何それ? そんなんだから彼氏できないんだよ。」
「うっ。オトハちゃんそれ言わないでぇ〜」

オトハちゃんの発言に何も言い返せないのは、私に彼氏ができたことが1度もないからだ。
まだ中学生だから、高校生だから恋愛するのなんてはやいよーって恋から逃げること16年。
ここまで彼氏はおろか、恋すらもしたことがない。

「あー、彼氏いいなぁ〜」
「お、恋する気になった?」
「いやぁ〜、そーゆー訳じゃないんだけどね」

恋したい、けどするのが怖い。
だって経験値0なんですもの。
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