話しかけんな
ーーーーーーー
「あ、このコじゃない?めっちゃ美人なコ」
「ゼッタイそーだよ!!超美人だもん!」
「このクラスには入ってきた女の中で一番美人じゃん。」
「ねぇ、あんた友達いないんでしょ?去年一人でずっといたらしーじゃん?ウチらの仲間に入れてあげよっか?」
教室に入った途端目の前で繰り広げられたわたしの評価と仲間への勧誘。
確かに去年高校に入って一年は友達はいなかった。特に必要なかった。喋りたいとも思わない。それは今でもそうである。
「ならない。」
「は?ならないっつった?今」
「わぁぁ断られたぁぁぁ。悲しい〜」
「んーもー、いーじゃん?仲間ってことで!ねっシーカちゃんっ!」
「もーウチら仲良し5人組だよねぇ」
それから『行かない』、『帰る』と何度言っても腕を掴まれてカラオケに行かされたり買い物に付き合わされた。
当然わたしはその場にいるだけ。カラオケの仕組みがイマイチ分からなかったので四人の誰かに払ってもらったりもした。