君の隣
対面式には嫌でもでないといけない
零は出なくてもいいと言ってくれたが
副会長である私がでないわけにはいかない
これ以上は零に迷惑をかけられない。
校長挨拶、新入生代表、生徒会代表
学校紹介、部活動紹介…
それぞれの挨拶が終わり
なんとか対面式は乗り切ったと思っていた。
生徒会が後片付けをしているとき
急に後ろからの気配に驚き
後ろを振り返ると『あいつ』が立っていた。
?「逃げるなんて酷いじゃんかりっちゃん」
「…羽翔(ハヤト)」
羽「やっと見つけた」
あの頃となにも変わらない…
金髪も、ピアスも、だからこそ、嫌だ
貴方の首から見える傷が
私の過去を蘇らせる。
「…何でここに来たの」
羽「りっちゃんを探しに来た」
「私がいなかったらどうし、」
羽「転校するよ…何度でも…見つかるまで」
なんでそこまでするの
私はあんたを傷つけたのに…
探しになんてこないでよっ
「私に、関わらないで」
羽「まてよ…りっちゃん!!」
「っ」
羽翔が大声を出したことで
片付けをしていた役員がこっちを見た。
私はこの場にいたくなくて小走りで
体育館を出て行った。
羽翔はそのあとを追ってくる。
羽「まてよ!」
私はその声を無視して生徒会室に
逃げ込んだ。
扉を叩いてくる羽翔だが
私はなにも聞きたくなくて耳をふさいだ
零「璃咲」
「っ…零?」
部屋の奥から出てきたのは零だった。
「なんで、」
零「隠し扉…あいつは俺が話しつけるから
璃咲はもう帰って」
「でも、」
零「大丈夫」
私はその言葉を信じて零がつかった扉から
家に向かって走った。
side璃咲 end