ブラックドレスに甘い毒牙を隠して…

弥生は慌てている様子で私に聞くが、憂臣は席にいない。



「 いないみたいだね 」

「 いないって のん気なっ!里桜、憂臣くん呼び出されたんじゃないの?」

「 いいよ 」

「 いいよじゃない!ほら、探すよっ 」



もう… いいのに~



弥生は私の鞄まで持つと私を引っ張って行く。

憂臣がどこで誰といようと私は気にしない。




「 あ、里桜じゃん!ちょっと、憂臣はどこ?」

「 私に聞かれても… 」

「 ちょっと玲羅!里桜も今探してんのっ 邪魔しないでよねっ 」



弥生が私を庇って言うと玲羅はキレイな顔を歪めた。




「 里桜、いいかげん憂臣と別れなさいよね 」



私は玲羅から視線をそらし気にしない。

弥生は気にするなと また憂臣を探す。

同じクラスの遥が忘れ物をしたらしく教室へ取りに戻る途中 私たちと会った。




「 遥、どうしたの?あ、憂臣くん見なかった?」

「 うん、見たよ~ 図書室入ってった 」




図書室?



「 ありがと、遥!里桜 行くよっ 」

「 ねぇ 弥生~ いいってば… 」



図書室には今行きたくないよ…



「 里桜、憂臣くんの居場所はわかったしちょっと話そっか 」



弥生は走るのをやめて、真面目な顔して私に向きなおった。



弥生?




「 里桜さ、憂臣くん好き?」



え……


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