ブラックドレスに甘い毒牙を隠して…

私と憂臣の恋人としての月日はこの日を境に玲羅も認めてしまうしかないほどで、あっという間に公認カップルとして高校生活を終えた。

私は思うところあって大学ではなく、就職し、実家に住んだまま貯金を必死にした。

憂臣は高校を出てから看護師になるため看護学校へ進み病院での就職も決まった。

高校を出てから知った事実があった、憂臣は一年留年していた。

それも転校してきた理由のひとつらしい。

私たちの関係は未だに何も変わらない。

もう大人な恋人なのに、体の関係だけはない。


それは私が拒否しているから。


憂臣は男としての我慢を強いられながらも私を大切にしてくれている。



それでも私のすべては綾己のもの…



毎月の月命日に綾己のお墓に立つ私。



「 綾己… 来たよ、寂しかった? 私は毎日が寂しいよ… 」




だって、あなたがいないから…

私ね… もう、22歳になったの…



墓石に手を添え、涙が視界を滲ませる。



会いたいよ、綾己…

ねぇ 私を呼んでよ…


里桜って、呼んで…





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