ブラックドレスに甘い毒牙を隠して…

憂臣と偽りでも付き合ってきた私は恋人…

この返事は しないわけにはいかない。



「 里桜… この先もずっと俺がそばにいたい。だから 里桜、俺のためにウェディングドレス着てほしい 」



憂臣… 本気なんだね…



私は思いを秘めながら、笑みを見せ返事をした。




「 はい、喜んで 」



私の返事に憂臣は手を引き、そのままジュエリーショップの中に入って行った。

憂臣は婚約指輪を今決めたいと言って店員とニコやかに話している。



私は一人、心の闇が囁いていた。



憂臣のプロポーズを受けた私に憂臣の私への愛情を裏切る時が決まったと。


指輪を笑顔で選び 憂臣が注文した。




「 里桜、これから忙しくなるな 」

「 楽しそうだね、憂臣 」

「 当たり前だろ、里桜が俺の奥さんだもんな! すっげー 嬉しいっ 」




そんな笑顔…


間違いだよ、憂臣…

私はあなたの妻にはならない。


私は綾己の妻になりたかったの…


でも、あなたのせいで綾己の妻にはなれない。


許さないっ…


今の私はあなたを裏切るために生きてるのよ!




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