ブラックドレスに甘い毒牙を隠して…
この日から半年後、私は教会の扉の前にいた。
私が着ているのはブラックドレスではなく、純白のウェディングドレス。
扉を開ければ 私をずっと見守り、そばを離れず いつも私だけを見てきた憂臣がいる。
その微笑みはまるで温かな光…
私だけでなく、憂臣もまた どれだけ苦しみ、悲しみ、闇を抱えてきたか…
でも、今の私にもう闇はない。
綾己を忘れず、憂臣と命日には必ず一緒に手を合わせていく。
葛藤がないわけでない…
それでも、前を向いて 綾己のためにも、憂臣のためにも、ウェディングドレスを着て歩くことを選んだ。
未来にあった闇は晴れた。
誓いの言葉を交わす中、神父様が…
綾己に見えた。
その顔には、私が愛した微笑み…
綾己…
私、綾己との時間すべてを胸に憂臣と生きて生きます。
また、会いにいくから…
今度は、笑顔で…
______________完。