ホテルの専用ラウンジで一人、俯いたままの美和子はテーブルの上に置かれたワイングラスにも手をつけず、ため息ばかり。彼女は今日、年下の彼に別れを告げるつもりだった。その小説は、由利亜こと美和が書いたノンフィクション。美和子は私。美和はこの物語の美和子と同じように年下の彼、健吾に別れを告げるつもりだった。結婚を考える美和は仕事が楽しいと言う健吾に嘘を吐くしかない。もう後がない。そう考えていたから。年齢差、そして、年上美和の苦悩に健吾はどう反応するか?
素敵な短編にドキドキさせられること間違いなしです。