ネガティブ女子とヘタレ男子
オマケ小話(本編とも少し関わりがあります。)

「ねえ、横場くん。」

「ヒロキ。」

「え。」

「大樹って呼んでよ、せっかく付き合うんだからさ。ね、爽。」

「…大樹は、どうして私にキスしたの。」

夏の暑い日差し。
静かな教室で、二人きりで話す私達は、今日結ばれた。

「愛も恋も、無いんでしょ?」

普通の恋人とは違う形で。

それなのに彼は、私がそれを言うと悲しげに笑う。

「言ったでしょ。俺が君を好きだからだよ。」

嘘だと分かりきった台詞を加えて。



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