ネガティブ女子とヘタレ男子
天才(?)の悪巧み
ベッドに無理矢理戻されて、目の前に立つ自称天才を見上げる。
泣いてるときには気づかなかったが、下から見上げてもイケメンはイケメンのままだった。
(いや、むしろ気づかないままでいたかった。)
世の中の全イケメンがタンスの角に足の小指をぶつけるように心から祈りながら、先(ま)ずはと目の前のイケメンを倒すべく脛(すね)を蹴り上げた。
「イッテ…!何すんだよ!」
「イケメンよ滅べえええ!」
「理不尽!」
「チッ…何だよ、早く話せよ自称天才(笑)(カッコワラ)。」
「読む人が一番読みにくいやり方で馬鹿にすんな!ったく、さっきまでのシリアス回どこ行ったんだよ。」
「イケメンよ滅べえええ!」
「話を聞け!」
悪のりに悪のりで返す俺達は、どんどん本題からずれていく。三十分ほどそんなコントを続けて、疲れはてた二人は肩で息をしながら床に膝(ひざ)をついた。深呼吸をして荒い呼吸を整え、立ち上がった天が机に足の小指をぶつけて俺がお腹を抱えて爆笑するのは、更に五分たった後の事だった。
「全世界のフツメンに告ぐ…イケメン(悪)は我が討ち取ったり!」
「…お前に取り合ってると話しが進まねえから、絶対ツッコまねえぞ…。」
「よっ、自称天才(笑)(カッコワラ)。」
「褒めてねえよな!」
「で、何を考えたんだよ。」
「もうなんなのお前…フリが長えよ。はぁ、なんか疲れた…帰りたい。」
「読む人がシリアス回で泣きすぎてたらどうするんだ。そこで俺たちの出番って事は…笑いを取りにいくしかn、」
「俺らが泣きすぎてるだけで読者はそんなことねえから!つか、そんな裏事情暴露すんな!」
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