お姫サマの暴走
それは写真雑誌だった。

ちょっと前に投稿していた律子さんの写真がその雑誌のコンテストで入選していたのだ。


「すげー」


思わず呟く。


「つか、ちょっと恥ずかしいけど……」


モデルはオレだったから。

しかもヌード写真だし。
(もちろん、恥ずかしい部分は写ってないよ)



「まぁ、入選したからと言って、即プロになれるわけじゃないんだけどね……」


めずらしくしおらしいことを言いながらも、律子さんの頬は緩んでいた。


「ま、編集者の目に留まらないとも限らないしさ。とりあえず一歩前進かなぁって思って……」


「うん。すげぇじゃん」


「蓮哉のおかげっ! ほんとありがとねっ! すぐに伝えたくてさ……会社行く前に来ちゃった」


そんな風に言う彼女はまるで宝物を見つけた子供みたいにうれしそうだった。


「じゃ、あたしはそろそろ行くね」と言いながら雑誌をかばんに入れた。


そして一歩オレに近づくと耳元で囁く。
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