お姫サマの暴走
切羽詰ったような顔をしてる。

いったい何事かと、オレは画面に映し出された文字を読む。




「どうしよぉ……」


読み終わったと判断したのか、日向はブツブツ呟き始めた。



「やっぱ、経験ないとエッチシーンって書けないのかな……? そりゃそうだよね。だって全部妄想なんだもん! なんとなく、こんな感じかなぁ……みたいに想像で書いてるだけなんだもんっ」



「で……オレにどうしろと?」



なんとなく嫌な予感がして、目を細めて彼女を睨んだ。



「だからっ!」


日向はベッドの上にいるオレに、さらに体を近づけてきた。

そして上目遣いで小首をかしげる。

彼女お得意のおねだりのポーズだ。


「……教えて?」


まさかとは思うが……


「今から?」
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