奇跡? ペア宿泊券と強引な天敵課長
01 今年もお一人様
二十九年生き、その間、二十九回クリスマスを過ごし、間もなく三十回目のその日を迎える。
十二月に入ると、どの雑誌もクリスマス特集が組まれ、『クリスマスの思い出は?』のフレーズをよく目にする。
そのたびに頭に浮かぶのは、六歳の時に見た、あのホテルの光景だ。
亡き両親とその時泊まったのは、ハイグレードと評判のホテルで、クリスマスや年末年始は予約が入れられないことで有名だった。
そのホテルに、小学入学の日、「誕生日のお祝いと一緒になるけど」と言って、父母は予約を入れてくれた。
生憎、キャンセル待ちだったが、奇跡的に空きが出た、と聞いた時には、嬉しくて嬉しくて、その日を指折り数え待った。
十二月に入ると、どの雑誌もクリスマス特集が組まれ、『クリスマスの思い出は?』のフレーズをよく目にする。
そのたびに頭に浮かぶのは、六歳の時に見た、あのホテルの光景だ。
亡き両親とその時泊まったのは、ハイグレードと評判のホテルで、クリスマスや年末年始は予約が入れられないことで有名だった。
そのホテルに、小学入学の日、「誕生日のお祝いと一緒になるけど」と言って、父母は予約を入れてくれた。
生憎、キャンセル待ちだったが、奇跡的に空きが出た、と聞いた時には、嬉しくて嬉しくて、その日を指折り数え待った。