奇跡? ペア宿泊券と強引な天敵課長
04 イヴの夜は貴方と
ディナー会場はグランドステイKOGOの中でも最高と言われる、レストランMだった。

「課長、何だか夢の中にいるようです」

味も最高ながら、夜景も美しかった。コースを締め括るデザートを頂きながら、ウットリと窓の外を眺めていると、ホッと安堵の息が聞こえる。

「そうか、なら、良かった」

課長はコーヒーを一口飲み、ジッと私を見つめる。
あまりに熱っぽいその視線にドギマギ落ち着かない。

「本当は抽選会場で出会わなくても、今年のクリスマスはお前を食事に誘うつもりでいた」

どういう意味か分からず、ポカンと課長を見つめ返す。

「明日、誕生日だろ? 好きな女の生まれた日を祝ってやりたい、と思うのは当たり前だろ」

好き? 私を?
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