訪問者数1万人突破記念!②短編小説「恋愛リアリスト」
だってー

やっぱり、どうしたって

現実的に考えて

あんな人と付き合うなんてのはありえない。

資料室に入井和を置き去りにして、私は席に戻った。

すぐさま大和が近付いてきて言う。

「センター長の抜擢とはいえ、ご苦労様でした!」

そうだよ

まさか、資料室へ案内するのと資料探しをこんな平OLに頼むだなんてさ!

思いにもよらず、だよ。

「みんな羨ましがってたよ~、ね、どうだった?」

「・・・へ?」

「へ、じゃなくて、わが社のエース様、やっぱ物腰も柔らかそうだし、何か話したの?」

あ、びっくりした。

キスされたことを知ってるーのかと一瞬思ってしまった。

んなわけない!

「べ、別に。資料探して渡して、それだけよ。」

そう返して、パソコンからそっと

視線だけ資料室に向けた。

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