訪問者数1万人突破記念!②短編小説「恋愛リアリスト」
「ひどいな、俺、ちゃんと告白したと思ったけど?」

周囲はシンと静まり返り、電話のコール音だけが響いている。

その一瞬の時間は、私には永遠にも感じられた。

「いや、冗談・・・」

「冗談じゃないって言っただろ?」

私は、紅くならず青くなって・・・視線を泳がせた。

「ちょ、香菜?!」

「あ、いや、これは・・・」

嘘だうそだ!

つか、ありえないってば。

「とりあえず、ライン交換して、今日仕事終わったら飯食いに行こ。」

入井和は平然として、言葉を続ける。

いや、だから冗談はやめてってば。

「あの、こういうの、その、困ります。」
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