草食系上司の豹変
「年配の男性と話をするのがすごく上手い方、という印象です。何かコツでもあるんですか?」
結城さんは目をパチパチさせてから、微笑んだ。
「強面のお偉いさんも、同じ人間ですよ。現場に口を出すのも、よかれと思ってしていることですから。逃げずにこちらから向かっていけば、かわいがってもらえます」
それはそうかもしれませんが、怖いんです!
部活のおじさん先生、みんな怖かったんだもの!
「後は、慣れ、ですかね。……音大時代、怖いおじさん教授がいましてね。その人の前で睨まれながら弾いたり、一対一で意見を述べることもさせられましたので、あれでだいぶ免疫できました」
わあ。プライベートなこと、話してくれた。
少し距離が縮まった気がする。
こういう話、全然知らない世界で楽しい。もっときいてみたい。
私が質問すると、結城さんはユーモアを交えてちゃんと答えてくれた。
音楽の話をしてくれる結城さんは、瞳がキラキラ輝く。その瞳に見つめられると、ドキドキして、ふわふわして、勝手に頬が緩む。
……ん? これって……。
食事を終え、美味しいコーヒーを飲んでいると、周りから拍手が聞こえた。
ピアノ演奏が終わり、ピアニストが退場していくのだ。
ありゃりゃ。話に夢中で全然演奏聴いてなくてごめんなさい。
慌てて拍手をする。
結城さんを見ると、ピアノを見ながら驚いた顔をしている。
結城さんは目をパチパチさせてから、微笑んだ。
「強面のお偉いさんも、同じ人間ですよ。現場に口を出すのも、よかれと思ってしていることですから。逃げずにこちらから向かっていけば、かわいがってもらえます」
それはそうかもしれませんが、怖いんです!
部活のおじさん先生、みんな怖かったんだもの!
「後は、慣れ、ですかね。……音大時代、怖いおじさん教授がいましてね。その人の前で睨まれながら弾いたり、一対一で意見を述べることもさせられましたので、あれでだいぶ免疫できました」
わあ。プライベートなこと、話してくれた。
少し距離が縮まった気がする。
こういう話、全然知らない世界で楽しい。もっときいてみたい。
私が質問すると、結城さんはユーモアを交えてちゃんと答えてくれた。
音楽の話をしてくれる結城さんは、瞳がキラキラ輝く。その瞳に見つめられると、ドキドキして、ふわふわして、勝手に頬が緩む。
……ん? これって……。
食事を終え、美味しいコーヒーを飲んでいると、周りから拍手が聞こえた。
ピアノ演奏が終わり、ピアニストが退場していくのだ。
ありゃりゃ。話に夢中で全然演奏聴いてなくてごめんなさい。
慌てて拍手をする。
結城さんを見ると、ピアノを見ながら驚いた顔をしている。