伝説の華
あれ?

1人しかいない

いつもは4人でいるのに

「ごめんなさい!
謝っても許されないことは分かってるけど、本当にごめんなさい!」

愛「え?」

そう言って頭を下げてくるこの子は、嫌がらせをしてくるグループのリーダーみたいな人で確か千葉っていう名前だったはず

それより謝られてる?

これは素直な気持ちなの?

それとも私を油断させるため?

こういう風に考えてしまう私は最低なのだろう

だんだん昔の私に戻ってきている気がする

周りの言葉を信用出来ない最低の人に


だから、怖い

この子の言葉を信じてもいいのか分からない

頭の中では、また裏切られたらどうしようっていう考えと信用してもいいんじゃないかっていう考えがグルグル回っている

信じたい私と信じられない私

どっちが正しいの?

「私ずっと愛紗さんに嫉妬してたの。
素直で優しく、みんなに愛されてるあなたに」

あぁ

この子の言葉は嘘をついていない

この子も昔の私と同じなんだ

自分は周りから愛されてない、必要とされてないと勘違いしてる

愛されてない訳ではなく愛されているのに気づいていないだけ

だけど、気付かないと心が苦しくて本当の自分じゃない気がしてくる

守ってあげたい

愛されているよ、必要とされているよと伝えなきゃいけない気がしてきた

愛「少し間違ってるよ。
あなたは愛されていて、必要とされているよ。
1人じゃないんだよ?」

「え?そうなの?
ずっと1人だと思ってた」

ポタポタ

彼女が流す涙はとても綺麗だった

涙はみんな同じだと思われているけど、私はそんなことないと思う

心が綺麗な人しか流せない綺麗な涙もあると思う

だから、彼女は心が綺麗だと思う

「どうして私に優しくしてくれるの?
あなたに酷いことばかりしてきたのに」

愛「だって、心が助けを求めている気がしたし、あなたは本当に酷い人だと思えなかったから」

「クスッ、夢斗様が言っていたとおりね。
とても優しくて、綺麗な心の持ち主だって」

愛「夢斗?」

どうして、あむが関係しているの?
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