伝説の華
蒼side

あれはまだ中学2年だった時。

僕には5つ上の兄ちゃん上野 紅〜Aka Ueno〜がいた。

この頃にはもう金龍に入っていた。

初雪が降ったある日、金龍は闇鬼という暴走族と大きな抗争があった。

闇鬼は薬とパイプに頼っているだけで別に強くなかった。

『死ねぇーーー』

だから、油断していて後ろからナイフを持って走ってきた男に気づかなかった。

目を瞑って痛みがくるのを待っていたがいくら待っても痛くなることがなかった。

目を開けると兄ちゃんが僕を庇って刺されていた。

蒼「に、兄ちゃん…?
なんで僕のこと庇ったの!?」

紅「なんでって、大事な弟だからだろ。
弟を守るのは兄の役目だろ!」

蒼「笑わなくていいから、喋らなくていいから、死なないで!」

紅「泣くな。笑ってくれ」

蒼「兄ちゃん、俺強くなるから見ててね!
ありがと!大好き」

紅「あぁ、お、俺も、だ…げん、きで、い、ろよ」

そう言って兄ちゃんは目を閉じた。

その顔はあまりにも綺麗すぎて寝てるようにしか思えなかった。

その後は、他の奴らが闇鬼の総長を倒してくれて、救急車を呼んでくれていた。

『出血多量で危険な状態です!』

一緒に救急車に乗って病院に行ったら緊急手術が行われた。

数時間後赤いランプが消え、医者が出てきた。

『お兄さんが頑張ってくれたおかげで無事一命をとりとめました。』

ほんと?よかった!

この後医者が言った言葉に僕は目の前が真っ暗になった。

『しかし、いつ目覚めるか分かりません。』

医者が言ってるのは植物状態になっているということだ。

兄ちゃんは僕のせいで植物状態になったんだ。

ちょうど1年後目が覚めたらしいけど、僕は罪悪感のため会いに行くことができなくてそれっきり会っていない。

蒼sideend
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