伝説の華
朔「話ってなんですか?」

「許されないのは分かるけど今までごめん」

朔「は?え?」

外に出るといきなり親父に謝られて思わず変な声で返事をしてしまった。

「坂城様に言われて気づいたんだ。馬鹿だよな。
人に言われるまで気付かないなんてな。
父親失格だな。嫌われて当然だな」

朔「馬鹿じゃないの」

「だよな。本当にす 朔「誰が親父のこと嫌いって言った?」 え?」

朔「正直言って親父のことは許せなかった。
けど、嫌いになれなかったんだよ!!
ずっと褒めてほしかった。俺を見てほしかった」

「本当にごめんな。
今からでもまだ間に合うか?
お前と本当の親子になるの」

朔「当たり前だろ」

「ハハッ。さすが俺の息子だな!
家に帰ったら母さんとも話してくれ。
お前が家出してからずっと母さんお前のこと心配してるんだよ」

朔「そうなのか?
俺ちゃんと愛されているんだな」

「何当たり前のこと言ってんだよ。
朔は俺たちの自慢の息子だ!」

朔「父さん。あ、りが、と、う」

なんだ。

愛されてないと思っていたのは俺だけじゃん。

そう思った瞬間、心の中の重りがスッとなくなった。

父さんにも母さんにも愛されているのに気づかないって俺も馬鹿だな。

これからは本当の家族になれるのか?

いや、なれるな。

なんて言ったって俺の大好きな母さんと親父だもんな。

坂城 空夢、あなたは凄いですね。

バラバラだった俺たち家族の心を戻してくれるなんて。

うみ。

うみもあむさんと和解できればいいですね。

まぁ、心配しなくても大丈夫だろうけどな。

朔sideend
< 58 / 170 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop