伝説の華
陽「まだなつきのこと引きずってんのか」

空「…」

紫「なつきは死んでないんだから責める必要ない」

空「それは違うよ。
悪いのはあたしなんだよ」

柊「僕たちまたあむの笑顔を見たいって思ってるんだ」

暁「あむは笑ってるほうがいいですよ」

空「みんなは優しすぎるんだよ。
あたしといれば不幸になっちゃう」

紫「そんなことない」

陽「もし不幸なことが起きてもそれ以上に幸せになってやるよ」

暁「はるとの言う通りですよ」

柊「僕たちの幸せや不幸は僕たちが決めることだよ!」

なんで、なんであたしなんかに優しくするの?

あたしがみんなの総長を殺したようなものだよ?

あたしは幸せになんかなってはならないのに光雷のみんなといるとまたあの頃みたいに笑いあいたいと思ってしまう。

空「あたしもみんなと一緒にまたあの頃みたいに過ごしたいよ」

柊「それな 空「でもできないんだよ!」 …」

陽「分かった、今は諦める。
けど、俺らが諦める悪いことを知ってるよな?
絶対に諦めねぇからな」

空「またね」

本当はもっとはっきり言うべきだったんだろうけど、光に溢れているあいつらの瞳を見てると傷つけたくないと思った。

馬鹿だよね。

自分から離れようとしたくせに結局離れなれてないし。

金龍のみんなと出会ってから尚更1人でいるのが怖いと思いはじめた。


ねぇ、なつき

早く目覚ましてよ

なつきがいないと寂しいよ

あたし1人じゃ何もできない

空「なつき会いたいよ。声を聞きたいよ」

ポロッ、ポロッ

この涙も止めてよ

なつきがいないとダメなんだよ

『ほんとに泣き虫だよな。
俺は笑ってるほうが好きなのにな。
あむ1人にさせてごめんな』

なつき?

空「なつきどこにいるの?」

『俺もそろそろそっちに行くからな』

そっちに行くってどういうこと?

会えるの?

『あとで分かるよ。
でもいつまでもクヨクヨするな』

分かった。

だから早く目覚ましてね。

『またな』
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