恋彼〜NAMIDA〜
神山らいと様
元気?
つか、覚えてる?
梓だよ、黒木梓。
覚えてるかな?
陵は覚えてる?本城陵。
覚えてるよね。
うちら親友だったもんね。
あたしがまだ施設に来たばっかりの時、すっごい2人共ひつこいくらい、話しかけてきたよね。
本当、昨日の事みたい。
らいとは覚えてる?
今ね、あたし達2人には沢山仲間が居るの。
皆、良い奴等。
らいとが引っ越した後に色んな事情で施設に来た子達なんだけどね。
毎日がすっごい楽しいよ。
らいとは?
毎日楽しい?
あのね、陵達最近ね地元の高校生が仕切ってる族に入ったの。
総長の人も、幹部の人も皆信用出来る人だし、うちらの事可愛がってくれてる。
ちゃんと、周りの人達と対等に扱ってくれてる。
それはね凄く嬉しいんだ。
でもね、その反面学校の人達が離れていくの。
学校の人達とも、良い距離保って、仲良くしてたのに皆、段々離れていくのが分かるの。
族の人達もね、認めてくれる人も居るけどね、中学生のくせに何だよって思ってる人達も沢山いるの。
陵達はその事に気付いてない。
あたしも美夏も友梨も、毎日毎日怪我してくる陵達を見ると、涙が止まらないの。
ねぇ、らいと。
あたしはどうしたら良い?
黙って見てたら良いの?
らいとだったらどうする?
黒木梓