私のご主人様

流石にこれにはメイド長さんもビックリ仰天。唖然して固まってしまいました。

『な…何をおっしゃいますか!奥様には使用人が5人もついておられるではないですか!』

『なら1人交代でいいからこの子側に置くわ』

『~ッ奥様、それはできません。琴葉の配置は旦那様の命です』

『あら、じゃあ許可をもらえばいいってことね。琴葉、いきましょ?』

『え?…ふええぇぇ!?め、メイド長さーん!』

ずるずる引きずられていく私にメイド長さんも仰天で、追いかけてきてくれます。

追いかけながらも説得するも、奥様は聞く耳もたず…。結局旦那様のお部屋まで連行されました。

『あなた!琴葉私の専属にしていいかしら』

『ん?』

『ッ!?!?こと…っげふん!奥様、どうなされたのですか!?』

スパーンッと気持ちのいいくらいきれいに開け放たれたドア。旦那様は動じた様子もなかったけれど、お父さんはあからさまに動揺してました。

奥様にしっかり捕まれた腕。情けない姿でも、旦那様に頭を下げた。

礼儀は大事。お父さんの口癖です。
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