私のご主人様
この人たちは、私の使用人としての能力を買ったんだ。
どれだけ私のことを知ってるか分からないけど、仕えるのなら、これまで以上に尽くすだけ。
畳に手をついて頭を下げる。
よろしくお願いいたします。
声には出せなくても、口にはした。覚悟を決めるため。ここで、働くために。
頭を下げ続けていると、頭に手を置かれる。
「そう気張らなくていい。頼んだ」
立ち上がる気配がする。部屋を去っていく気配に頭を下げ続け、その気配が消えて頭を上げると、もう2人の姿はなかった。
改めて部屋を見渡す。布団以外なにもない。いつの間にかあのワンピースは消えていた。
ここにいた方がいいのかな?でも、1週間以内にあの巣窟を片付けるんだよね?
早く手つけたいなぁ。あ、掃除機とかも使えるのかな?洗剤とかスポンジとか…。
「…」
確認しに行こう。明日から動いても通販じゃすぐ来ないもんね。
そうとなれば!メモ帳とタブレットを持っていざ出発。