私のご主人様
「あ、琴葉ちゃんおかえりなさい」
「おかえり~」
「ただいま戻りました!」
私に気づいたメイドさんが声を来てくれました。手を振ってくださる方もいます。
そんな方々に頭を下げて屋敷に急ぐ。
あ、正面玄関からは入りませんよ。使用人には使用人用の勝手口があるのでそちらから失礼します。
「あ、琴葉ちゃんお疲れ様」
「ただいま戻りました!お疲れ様です」
「琴葉ちゃん!秋津さんが発狂しようよ!」
「えぇ!?すぐ行きます!」
勝手口から入ると、メイドさん2人が出迎えてくれました。
秋津さんというのは、奥様付きの使用人さんの1人。多分奥様がパーティー行くの渋り出したんだろうなぁと予想がついてしまう悲しい現実。
そうとなれば、さっさと着替えて行かなくちゃですね!
使用人さんたちの更衣室に飛び込んで、制服から使用人の服に着替えます。
黒を基調としたロングスカートに白いエプロン。背中を覆い隠すくらいの黒髪はシュシュで縛っておきます!
この髪、切りたいのは山々なのですが、奥様が切るなと厳命されるので伸ばし続けて早2年。もうすぐ毛先がお尻に届きそう…。
ってことはどうでもよくて、これで完成!
ロッカーに私物を突っ込んで、早足で奥様のお部屋に向かいます。