私のご主人様
始めの嫌な予感の通りと言うか、なんと言うか…。
奏多さんはやってくれようと張り切るんだけど、シンクやらいろいろ泡だらけにしてた。
結局やってもらってたのは庭の芝刈りとかだった。
恐ろしくて洗剤を渡せなくなるという中々びっくりさせてくれた。
逆に暁くんは結構器用にこなしてくれて、何で今までやらなかったのか疑問に思うくらいだった。
でも、やっぱり初めてのことに関しては聞いてきてたから知らなかっただけみたい。
「俺、肉じゃが食べたい!」
「“暁くんは?”」
「…から揚げ」
「コクン」
リクエストゲット!後で注文しなくちゃね!
あれ、でも季龍さんに聞かなくていいのかな。勝手に作ったら迷惑にならないかな…。
うーん。どうしようかな。季龍さんに話あるって言ったら会わせてくれるのかな…。
「琴音、何」
「“季龍さんに報告した方がいいですよね?”」
「…それなら後で!…後で季龍さんに話通しとく」
「?」
なんだろ今。暁くん珍しく歯切れが悪かったような…。
首をかしげると、暁くんは何でもないと言ってそっぽを向いた。