私のご主人様

「それより琴音ちゃんの好きな食べ物教えて?俺らだけ聞かれちゃ不公平だし」

「?」

不公平になるのかな…?

好きな食べ物かぁ。うーん。なんだろ。特に気にしたことなかったなぁ。

出されて嬉しいものはある。でもそれは、その人が作ってくれた、その人の味が好きなんだし…。

…食べたいもので考えたら。

「…」

「ん?何々」

タブレットに打ち始めると奏多さんの興味津々な顔。暁くんも気にしてる。

『ケーキ食べたいです』

「ケーキ?甘いの好きなんだ」

「コクコク」

「ガキかよ」

好きな食べ物ってより食べたいものになっちゃったけど…。ふんわり笑う奏多さんとは正反対の暁くんにベーって舌をだした。

唐揚げに唐辛子混ぜて暁くんに食べさせてやる!

「何ケーキが好きなんだよ」

「“…ショートケーキかな”」

「やっぱガキだな」

「!」

聞いといて結局それ!?暁くんに殴りかかると、片手で受け止められた。

もー!意地悪ー!!

ポカポカ叩くと、痛いってデコピンされた。倍返しなんてひどい!

やっぱり唐辛子入れてやる!!
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