私のご主人様

「ねぇ、ことねぇ。宿題教えて?」

「?」

宿題?あぁ、そっか春休みかぁ。すっかり忘れてた。

って、もうすぐ春休み終わるよね?ちょっと悪い子?

「お嬢、勘弁してください」

「えぇ、終わったんでしょ?いいじゃん。ことねぇダメ?」

っう…上目使いしないで…。かわいいから辛い…。

助けて奏多さん、暁くん…。

視線をなんとか2人に向けると、どうしようと言わんばかりに顔を見合わせてた。

「ことねぇ、行こ!」

「え、あ…お嬢!?」

手を引っ張られて連れていかれる。あ~奏多さん、暁くんお助け~。

とか言いながらノリノリで手を引かれてます。なんか楽しい。

手を引かれて連れてこられたのは使わせてもらってる部屋の近く。案外近いところにあったのに今まで会わなかったのが不思議。

その襖を開けかけた梨々香さんは、その手を止めて追いかけてきた奏多さんと暁くんを指さした。
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