私のご主人様
道中、すれ違う使用人さんたちと挨拶を交わしてたどり着いた奥様のお部屋の前。
入る前からすでに中から言い争いの声がする。あぁ…めんどくさい。おっと本心が。
とりあえず気持ちをいれて、扉を2回ノックする。
「奥様、琴葉です。入ります」
聞こえたのかな?とりあえず扉を開けてみましょうか。
「失礼し…「だから行かないっていってるでしょ!!!」っい!?」
顔のすぐとなりに飛んできたマグカップ。もちろん扉にぶち当たって砕け散りました。
…ビックリシタ。って、熱いし痛い!?
頬に触れると濡れた感触。ヌルッとしたのが混じる。
あー。
「きゃぁぁああ!?琴葉!?」
「琴葉ちゃん!!?」
悲鳴を上げた奥様と秋津さん。
って、なんでこんなにドレスとかアクセサリーとか散乱してるんでしょね?またなくなったって大騒ぎしそう…。
秋津さん以外の使用人さんたち壁際で震えてました。
「あ、秋津!救急車!救急車呼んで!!」
「はい!今すぐ!!」
「…奥様も秋津さんも落ち着いてください」
さっきまでのケンカが嘘のように息ぴったりな2人。
本当に救急車呼ぶ前に止めたのは言うまでもありません。