私のご主人様
「奏多~それじゃあそれじゃあ俺たちが邪魔みたいだろうが!」
「っ!突然参加って言い出す方がわるいんじゃないですか!」
「話通さなかった奏多のせいだと思う人~」
「はーい!」
伸洋さんの味方に回った梨々香ちゃんは、元気よく手をあげる。
奏多さんは流石に返す言葉がないのか黙ったまま。
私のために…。恥ずかしくて、でもそれ以上に嬉しくて、浮かんできたものを飲み込む。
振り返って、奏多さんと暁くんに抱きついた。
「え!?こ、琴音ちゃん!?」
「何だよいきなり!」
慌てる2人を無視してぎゅっと抱き締める。
ありがとう、嬉しいって言葉に簡単にできなくて、文字にするのはなんか寂しかった。
だから、抱きついてみる。伝わればいいな…。って、こんなに慌ててたら無理かな…。
「…何だよ。これくらい当たり前だろ」
「俺たち、琴音ちゃんが来てくれて本当に嬉しかったから…」
やっと落ち着いた2人は照れ隠しにそんなことを言ってた。