私のご主人様

「えーと。それじゃあ、琴音ちゃん、改めてだけど、ようこそ。これからもよろしくね。それじゃあ、乾杯!」

「「かんぱーい」」

音こそ鳴らないけど、カツンとコップを軽く打ち付けあう。

「琴音ちゃん、何食べたい?」

「!」

「主役が遠慮してんじゃねぇ」

紙皿を出して笑う奏多さん。暁くんまで意地悪です…。

使用人として動くには当たり前のことをされるのってなんか気持ち悪いです…。

恐れ多く最初に料理をもらって、視線が痛いのでひと口。

「よし。俺らも食うぞ~!」

「伸洋さん飲みすぎないでくださいよ」

「ことねぇ、明後日洋風のがいい!」

「あ、お嬢ずるくない?じゃあ明明後日中華~」

「お前らな…」

やっと賑やかになって、何となく伸洋さんもう酔ってる?

そんなみんなに季龍さんは呆れ顔。だけど、目は優しくて、みんなのことを大事にしてるんだってすぐにわかった。
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