私のご主人様

『季龍さん、ありがとうございます』

「ん?」

タブレットにぽちぽち打ったものを、季龍さんの袖を引っ張って見せると、驚いたように私を見た。

「どうして礼を言う」

『優しくしてくれるから、そのお礼です』

「俺はなにもしていない。そう感じるなら、奏多と暁に言ってやれ」

ふいっとそっぽを向かれてしまう。その横顔がほんのり赤い。恥ずかしいのかな?

じっと見ていると、軽く睨まれて、近くにあったポテトを口に入れられた。

「ひゅ~。若デレデレ~」

「あまり飲むな。伸洋」

「隠さなくても俺は、分かってるからいいですって~」

「「…」」

伸洋さん、お酒弱いんだ…。

あんまり飲ませないようにしようと、こっそり決意します。

そのうち奏多さんと暁くんに絡みだした伸洋さんに、全員で呆れたのは別の話。
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