私のご主人様
「琴葉、ごめんねぇ」
「琴葉ちゃん、本当に病院行かなくて大丈夫?」
「大丈夫なので起き上がっていいですか?」
何とか落ち着かせたのはいいとして、なぜかソファーに寝かされました。
もちろん手当てはもらいましたよ。止血にはかなり手間取りましたが、傷にガラスも残ってなかったので大丈夫でした。多分。
おっきなガーゼが当てられ、これまた大きな氷のうが乗っかっています。
寒いくらい…。
「奥様、パーティーに遅れます。すぐに身支度をしてください」
「っ…行かないわよ。絶対」
「秋津さん、旦那様にご報告してきてください。ついでに使用人3人くらい借りてきてほしいです」
「琴葉!?」
「今日のパーティーは大事だと旦那様が言っておられました。そのために準備してきたものもあります。だから、行ってください、奥様」
普段ならもっとうまく誘導するけど、時間が死ぬほどありません。
それに、こっちは怪我させられたんだ。引いてやるかこのやろ!おっと、本心が。
奥様はもじもじして、大きなため息をつかれました。
「分かったわ。パーティー行くわ」
「はい。秋津さん、ドレスの用意お願いします。那谷さんはヘアメイクお願いします」
「はい!」
「わ、分かりました!」
あと1時間とか殺す気ですかねぇ。まぁ、やるだけやるっきゃない…。