私のご主人様

「琴葉、ごめんねぇ」

「琴葉ちゃん、本当に病院行かなくて大丈夫?」

「大丈夫なので起き上がっていいですか?」

何とか落ち着かせたのはいいとして、なぜかソファーに寝かされました。

もちろん手当てはもらいましたよ。止血にはかなり手間取りましたが、傷にガラスも残ってなかったので大丈夫でした。多分。

おっきなガーゼが当てられ、これまた大きな氷のうが乗っかっています。

寒いくらい…。

「奥様、パーティーに遅れます。すぐに身支度をしてください」

「っ…行かないわよ。絶対」

「秋津さん、旦那様にご報告してきてください。ついでに使用人3人くらい借りてきてほしいです」

「琴葉!?」

「今日のパーティーは大事だと旦那様が言っておられました。そのために準備してきたものもあります。だから、行ってください、奥様」

普段ならもっとうまく誘導するけど、時間が死ぬほどありません。

それに、こっちは怪我させられたんだ。引いてやるかこのやろ!おっと、本心が。

奥様はもじもじして、大きなため息をつかれました。

「分かったわ。パーティー行くわ」

「はい。秋津さん、ドレスの用意お願いします。那谷さんはヘアメイクお願いします」

「はい!」

「わ、分かりました!」

あと1時間とか殺す気ですかねぇ。まぁ、やるだけやるっきゃない…。
< 20 / 291 >

この作品をシェア

pagetop