私のご主人様

それに、どう考えても待遇はよくて、普通使用人にここまでするのかと誰もが疑問を持った。

琴音ちゃん自身が困惑するほどに。

それに、この5日間のことだって、若は常に琴音ちゃんを心配するように、姿は見せないながらも見守っていた。

「若、琴音ちゃんのこと好きなのかな」

「は?ねぇだろ」

「でもさぁ、どう考えても琴音ちゃんに優しくない?冷人とも言われた若だよ?」

「…」

暁も反論に迷って口を閉ざしてしまう。

やっぱりそうなのか?伸洋さんも若を散々からかうように言ってるし。でも、若に限っては一目惚れはないと思う。

それに、琴音ちゃんを買うと決めたのは親父だという。買ってきたら情がわいた?いや、それもないか…。

考えても答えは出ない。まぁ、見守るしかないか。

「そろそろ話終わったかな」

「…多分」

もう11時だ。琴音ちゃんとお嬢がお風呂に入りに行ってから2時間も経ってる。

若に話が終わるまでは部屋に行くなって言われてたけど、もう終わってるだろう。
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