私のご主人様
手早くでも丁寧に!
そうして淹れたコーヒーを2人の前に出した。
「琴音ちゃんすごいね。淹れ方も完璧」
『ありがとうございます』
「叩き込まれてんのな」
それぞれ誉めて?くれてから飲んでくれる。どうかな…。好み聞いてから淹れればよかったかな…。
じっと2人の反応を見ていると、暁くんがすぐに顔をあげる。
「うまい」
「!」
やった!暁くんに誉められた。
ニコニコしていると、ふと奏多さんがうつむいたまま唸ってるのが見える。あ、あれ…?
奏多さん大丈夫かな…。肩をつつくと、瞬時に顔をあげる奏多さん。その顔は何だか青い気がする。
「お、おいしいね。流石琴音ちゃん」
「…」
絶対においしいって顔じゃないことくらい見たらわかります。奏多さんコーヒー苦手?なら何で頼んで…。
暁くんはため息をつくと、奏多さんにめんどくさそうに顔を向ける。
「奏多さん、ブラック飲めないくせに無理するから」
「暁っ!って、琴音ちゃんも瞬時に砂糖とミルク差し出さなくていいから!!」
飲みたいって言うからてっきりブラックでもいけるのかと思ってた…。言ってくれればよかったのに…。
奏多さんは怒ってるんだか泣いてるんだかよくわからないまま、ありがとねと叫んで砂糖とミルクをいっぱい入れてた。
奏多さん、甘党説浮上しました。
そうして、コーヒーは喜ばれました。