私のご主人様

―3時間後

「うわ、見てるだけで気持ち悪」

「…」

出来上がった料理を見て暁くんは毒舌を吐く。第一声はせめておいしそうがよかったなぁ。

確かに量は気持ち悪いと思うけど…。

大皿に盛られた唐揚げと、とりあえず鍋にいれたままの肉じゃが。

味噌汁もいっぱいで、サラダは山だ。

とりあえず味見してもらおう。

唐揚げを1つつまんで暁くんに差し出す。それを睨み付けてくる暁くんは、ため息をついた。

「?」

受け取ってくれるのかなと思ったら、なぜか手首を掴まれる。そのまま口を開けた暁くんは、パクッと唐揚げをたべる。

「…!!?」

え、そうなっちゃうの!?受け取ってくれると思ってたのに、なんかあーんしてるみたいになっちゃったよっ!!

食べたのにまだ離してくれない暁くん。しばらく噛んだ後、飲み込んで、なぜか唐揚げを摘まんでた指をなめられた。

「!!!」

「あ?なに」

それは私のセリフですー!!なんでなめちゃうの!?しかもなんで当然だろと言いたげな顔をするの!?
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