私のご主人様
どういう意味なんだろう。首をかしげていると、暁くんはどうしてもだと言ってさっさと運びに行ってしまう。
勝手に動いたら怒られそう…。それに、暁くんがダメって言うなら、奏多さんもダメって言いそう。
2人がダメって言うなら、余計なことはしない方がいい。
そう判断して、大量の食事を暁くんと、いつの間にかいなくなっていた奏多さんが戻ってきて一緒に運ぶ。
大広間から台所は気になる距離ではないとは思っていたけど、こう何往復もしないといけないのはちょっときつい。
「これ、毎回きついね」
「…」
奏多さんも同じこと思ってたみたい。暁くんもなにも言わないけど疲れた顔をしてる。
ワゴン買っていいか聞こうかなぁ…。
「お、お疲れさん」
「伸洋さん」
丁度やって来た伸洋さん。聞いてみよう!
駆け寄ると、なぜかチョコを構えて待っててくれる。何でチョコ?
「ここちゃんはい、あーん」
「?」
おとなしく口を開けると、チョコを入れられる。ビター系?ちょっと苦い。
頭を撫でられて笑われた。