私のご主人様

何でこんなことに?

呆然としていると、グラスを交わされる。横を見ると、季龍さんが口角を上げてグラスを傾けた。

「ことねぇかんぱーい!」

「!?」

びっくりした!

梨々香ちゃん…。グラスを交わしてひと口飲む。…あれ?なんか甘い…?

「…っ琴音、飲むな!」

「!?」

「伸洋!琴音に酒を盛るな!!」

「!!?」

「あれ、ばれちゃったか~。やっぱ若の隣にするんじゃなかったね」

伸洋さん酔っぱらってる…。始まって数秒なのに。

呆然としていると、肩を掴まれて強制的に振り返った。ドアップの季龍さんに顔が勝手に熱くなる。

「気持ち悪くないか」

「コク」

「顔が赤い。酔ったのか」

首をブンブン横に振る。酔ったんじゃなくて季龍さんが近い…。
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