私のご主人様
「琴音、どうした」
我に返って横を見ると、季龍さんと視線が重なる。
首を横に振って、笑う。
嬉しかっただけって言うのもなんだか恥ずかしいや。
…そういえば。結局ここって一体なんだ?
女の子は梨々香ちゃんと私だけ…。圧倒的な男性社会。そして、何故だか厳つい方々ばかり。
…聞いたら、教えてくれるかな。
季龍さんにチラッと視線を向けると、味噌汁に手をつけようとしていたけど、私の視線に気付いたのかその手が止まる。
「なんだ」
食べ終わってから聞こう…。
首を横に振っても、視線は向いたまま。…うん、聞いてみよう。
タブレットにぽちぽち打ち込んで、季龍さんに見せる。
『ここはどこかの財閥のお屋敷なんですか?』
「…」
タブレットを見た季龍さんの表情がみるみるうちに険しくなる。
あ、あれ?何でこんな怖い顔に…?私、変な質問した?