私のご主人様
あんまり言いたくなかったです。
奥様のせいにするみたいでなんかヤダ…。
旦那様は1つため息をつくと、お父さんに視線を向けられました。
「…宮内、今日はいい。琴葉を病院につれていってやれ。治療費はこちらが支払う」
「しかし、まだ明日の資料が…」
「それは波瀬の仕事だ。娘の顔に傷を残してやるな」
「父さん、それは僕が」
「お前はいい。宮内、琴葉、すまなかったな」
「いえ…」
旦那様はすぐに踵を返してお部屋に戻られるようです。
その背を向かって頭を下げる。お父さんも、その場に残って頭を下げていました。
旦那様が見えなくなって、頭をあげると、お父さんが駆け寄ってきた。
「琴葉、大丈夫か?」
「うん。大丈夫」
「…血がにじんでるぞ」
「え!?」
嘘!?そんな深く切った?
ガーゼに触れたけど、よくわからなかった。でも、手に血がついた。
あれ。血止まってない?あれ、奥様のドレスとかについてないよね?
…今すぐ確認しにいきたい!!!