私のご主人様

「琴音、こんでいいのか」

そうそう、奏多さんと暁くんの家事スキルが日々向上しているんです。

奏多さんはお掃除と洗濯に限ってですが…。暁くんは料理の腕も上がってきてそのうち凝ったものを作りそうですね。

味見と言って差し出された小皿を受け取ってスープの味を確認。

うん、ばっちりだ。

丸を手で作ると、暁くんは火を止めてそっぽを向いた。

「さーてと、運ぼうか」

「?」

奏多さんの声に、3日前に届いたワゴンに手を伸ばしかけて気づく。

ドアが中途半端に開いていました。そういえばここ最近ちゃんと閉めたはずなのに微妙にドアが開いているんですよね…。

え、何?怪奇現象!?

お化けがそーっとドアを開けている様を想像して身震いした。

「琴音ちゃん、どうかした?」

『ここはお化け出るんですか?』

「いや、聞いたことないけど…。琴音ちゃん霊感あるの?」

首をぶんぶん横に振って、ぽちぽち打ち込んで見せる。
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