私のご主人様
「はい、先輩たち出てってくださーい。琴音ちゃんに接触するの禁止」
「っな!?まだなにも言ってねーじゃんっ!」
「奏多のバカヤロー!」
奏多さんの言葉に食い付く先輩たち。口を開いたら面白い人たちだって分かる。見た目は怖いけど。
タブレットを手にとって、ぽちぽち打ち込んで暁くんの裾を引っ張る。
気づいてほしいときはこうやって裾を引っ張るのが合図になってる。相手が話をしていて気づいてくれない時も近くにいる奏多さんか暁くんが知らせてくれる。
たけど、じっと私を見るだけでなにもしてくれない。
「自分で引っ張れば?」
今日の暁くんはツンツンでした。
うう、となれば先輩さんに直接気づいてもらうしかない。
奏多さんと一生懸命言い争いを続けている先輩方の、サングラスの人の腕をつついてみる。
すると、すぐに振り返ってくれたけど固まってしまった。あれ?