私のご主人様
「本当は夕食の時に話しかけたかったんですけど、奏多が…」
「はーいちょっと中断。お昼食べながら話しましょうよ。待ってる人もいるだろうし」
「「「奏多ー!!」」」
奏多さんの強引な中断に、先輩方は悲鳴のような声をあげる。
時計を見上げれば確かにもうお昼を大広間に運び終わってる時間だった。
先輩方には申し訳ないけど確かにもう運ばないとまずい時間です。
急いでお皿やスプーン、箸を用意して、ワゴンにスープは鍋ごと、チャーハンは炊飯器に移してから乗せる。
準備完了。よし、運びますっ!
「琴音さんっ自分が運びます!」
「抜け駆けすんなっ!俺がっ」
「俺がやります!」
と、先輩方のケンカ勃発。あらら…。
様子を見守っていると、横から手が伸びてきて、ワゴンの持ち手を持って場所を変わってくれる。奏多さんでした。
「琴音ちゃん、ほっといていいから行こうか」
「はぁ」
笑顔の奏多さんと、ため息をつく暁くんに引っ張られて台所を後にする。先輩方はもちろんその場に置き去り状態です。