私のご主人様

「って、あれ?」

「「「奏多ー!!ちゃっかり奪ってんじゃねぇー!!!」」」

台所から大分離れた場所で、先輩方は置いていかれたことに気づいたのか、奏多さんに対して大声で声をあげると共にドスドスと足音が近づいてくる。

何だか賑やかですね~。

追い付いてきた先輩方は奏多さんに口々に文句を言うけど、奏多さんは笑顔で聞き流してしまう。

いいのかな…?暁くんは迷惑そうに耳を塞いで、先輩方を睨むように見つめている。

そのまま大広間に到着すると、中には何人か待っていてくれていました。

ありゃりゃ。

「琴音ちゃん珍しいな」

「昼はなんだ~?」

「腹へった~」

強面の方々から優しい声をかけていただきました。最近はこうやって声をかけてくれる人も多いんです。

すみませんの意を込めて頭を下げると、怒ってないから大丈夫だぞーと笑いが混じった声がした。

「怒るならこちらの3人にお願いします」

「っな、奏多!?」

「お~?瀬名、相須、森末。お前ら琴音ちゃんになに迷惑かけてんだ?あぁ?」

「「「す、すみませんでしたー!!」」」

また賑やかです。
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