私のご主人様
「…本当に?本当にもういいの?」
「コクコク」
「…うーん、50分…」
そんなに本格的にやるのかな。
奏多さんは困ったように時計を見つめて、ちょっと待っててと暁くんを叩き起こしてから部屋を出ていく。
もちろん寝起きの暁くんは訳が分からないと言うように私と出ていった奏多さんが出ていった廊下を見つめた。
しばらくして、奏多さんと一緒に来たのはなぜか伸洋さん。一応頭を下げるけど、伸洋さんはいつも通りどこか適当な雰囲気を醸し出していた。
「ここちゃんもう終わらせちゃったか~。もう見直しもいいんだよね?」
「コクン」
「んじゃ、次の教科やっちゃおうか。休憩10分ね~」
そんな言葉と共に回答用紙は回収されて、伸洋さんは頑張れという言葉とチョコレートを残してまたどこかに行ってしまった。
なんでわざわざ伸洋さん呼んできたんだろう…。奏多さんはまた部屋を出て行ってしまったから聞くに聞けない。
暁くんは…多分知らないような感じだ。伸洋さんが来たのにも眉を潜めてたし…。