私のご主人様

「琴音ちゃん、そろそろ始めてもいい?」

「コクン」

奏多さんが戻って来た時、その手には新しいプリントがあった。

すぐに再開したテスト。

見直しまで終わったらまた10分の休憩。そしてまた始める。

そんなことを繰り返して5回。5教科全部の実力テストは13時ぴったりに終わりを告げた。

終わった瞬間机にベタッと伏せた私に奏多さんはよく頑張りましたと頭を撫でてくれる。

「お昼持ってくるから、部屋に戻っててね。暁も」

「ん゛!?」

また居眠りをしていた暁くんに容赦なく叩き落とされた拳骨。痛そう…。

あくびをした暁くんは、時計を見て、私を見るとばつが悪そうな顔をする。

「お疲れ」

「“ありがとう”」

とりあえず部屋を移動して、うんと背伸びをする。

あんなに問題解いたの久しぶりだったなぁ。疲れたけど。

首が鳴りそう…。首を右や左に倒していると、奏多さんが戻ってきた。
< 269 / 291 >

この作品をシェア

pagetop