私のご主人様

とりあえず掃除だ。客間と大広間と廊下。

手始めに客間に近づいて、音がしないことを確認。ちょこっと覗くと誰もいなかったので、とりあえず窓を全開にして、堂々と入って掃除機をかける。

終わったらきつく絞った雑巾で畳を目に合わせて拭く。

こんなもん?

続いて大広間。隅っこにゴミが固めてあった。

回収するの忘れてた。とりあえずそれを台所に運んだら、机を隅っこに寄せて…。

「っ!!?」

重っ!?嘘でしょ…。

今まで奏多さんと暁くんが運んでくれてたから知らなかった…。

「…」

どうしようかなぁ。って、退けずにやるしかないか。

「あの~」

「!!?」

突然かけられた声に飛び上がりそうになる。素早く振り返ると、例のごとく、微妙に空いた隙間から3つのお顔が覗いてた。

「手伝ってもいいっすか?」

「!」

大歓迎です。コクコクと頷くと、大広間に入ってきた3人の先輩さん。嬉しそうに見えるのは気のせい?
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