私のご主人様

「いちゃついてないで、さっさと運べよ」

「暁はヤキモチやかない」

「くだんね」

ツンツンした暁は一番重いワゴンを押していってくれる。

乗りきらなかった分を奏多さんと手分けしてお盆に乗せて暁くんの後を追いかける。

「暁、琴音ちゃん後から抱き締めて欲しいって」

「!?」

「そういうのは奏多さんの役目でしょう?俺はそういうのなしで」

「とか言いながら、本当は抱き締めてあげたいくせに」

「変態なのは奏多さんだけでいいでしょ」

「うわ、ひど。ね、琴音ちゃん」

いつも通りの会話に笑みが浮かぶ。

すると奏多さんは少しだけ驚いた顔をして、笑ってくれる。

「お待たせしました~。配膳手伝ってくださーい」

大広間に行くと、奏多さんの声かけにたくさんの厳ついお兄さんたちが手伝ってくれる。

50人近くで食べるご飯は、やっぱり賑やかで不安な気持ちも薄れていった。
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