私のご主人様

「食べてから帰ろうか」

「うん…」

平然と返さないでほしかった!

そういうところは執事っぽいのか、目の前で笑えるようなことがあってもほとんど表情に出さないんだよね…。

先を歩くお父さんの服をつかむと、頭を撫でてくれる。ちょっとだけホッとした。

「なに食べたい?」

「んー…ファミレス!」

「それは食べ物じゃないだろ」

呆れたお父さんの声。でも、外食なんて本当に久しぶりだよ。

いつも酷いと10時くらいに帰ってくるからこんな風に食べに行けるなんてすごい貴重な時間。

お父さんはなんだかんだ言いながらもファミレスに連れてきてくれて、ご飯を食べました。なんか嬉しかったです。

家に帰ってきたのは21時を過ぎたくらい。ケータイにいつの間にか成夜からメールが入ってました。

『明日家来い』

それだけの簡単なメール。成夜は決して冷たくないし、静かでもない。

むしろ熱いし、うるさい。メールはめんどくさいってだけらしい。

『11時』

返信メール作成中にそれだけのメールが届く。

わざわざ2通にしなくてもいいのに…。

でも、ちょっと楽しみです。家に来いってことはおばさんもいるはず!

会うのは半年ぶりくらい?成夜また大きくなってたりして。

そんな想像をしながらお風呂に入って、すぐに寝ました。
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